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#インタビュー

【体験して感じて表現する。心から豊かな日々を】Cultivate M(カルティベイトM)

ご実家である「紫雲山浄土寺」の本堂にて『心や感覚を豊かに、古いものを大切にしながら新しいものをつくり、アップデートしていく場をつくる活動』を主宰されているCultivate M(カルティベイトM)。

 

芸術的な観点が似ており中学時代から友人である、マミさんと真紀さん。

アイディアを出すマミさん、形にする真紀さんの2人が作り出すCultivate M(カルティベイトM)の活動についてお話を伺いました。

 

「好き」を極めた先にあったCultivate M

コロナが流行し、様々なことを考える時間ができたので、動画を見る時間が増えました。その中でとある大学教授が「自分の好きな事、オリジナリティーに繋がる事を見つけ出す方法」というのを話していました。

その方法というのが、自分の好きなことを100個書いていき、書き終えたらそれぞれ発表していき、周りと被ったものを消していくというものでした。

周りと被らないものが選び出されることで『みんなが「好き」といっているから「好き」と感じているものではなく、本当に心から「これが好き」というものを見つけられる』というものでした。

 

好きなことなので、100個ってすぐに書けそうなものなのですが、それを体験していた学生さんたちは好きなことを100個書くというのが意外とできなかったそうなんですが、それをみた後に私も実際にやってみました。

 

100個はすんなりと書くことができたのですが、中身としては意外なものが多くて…

海外に住んでいたこともあるし、コロナが流行する前は毎年必ず海外に行くような生活をしていたので、結構外国が好きなんですね。

しかし、ここ数年気軽に外国に行けなくなったという状況で、改めて自分の好きなことや好きなものを見た時に、このお寺の環境や、佐原の町で感じられることが結構好きなんだなということに気が付きました

小さい頃に過ごした環境は、自分の中に深く浸透している部分があるのではないかと思いました。
私にとって、それは自然と落ち着くものであるのだなと気づいたのです。

 

 

私は「お寺」という環境で生まれ育ちましたが、その環境や空間についてより深く考えてみました。

お寺であるが故に、一般の方は普段あまり利用することもできないし、立ち入ることもなかなかできないとは思うのですが、浄土寺は近くに山もあり、自然が感じられる場所なので、ここにいるだけで感じられる空気感などは、私にとってはとても心地良かったですね。

浄土寺も、かつては近所の人たちがたくさん遊びに来たり、通学途中に朝晩通り抜けたり、あの山で遊んだような場所なのですが、今は悲しい時だけの場所みたいになっていますよね。

 

 

2021年1月7日の初雪、そして大雪だった日。近所のおじちゃんから
「昔はさ〜、そりでさぁ〜、お寺の山を滑ったんだよー」
という話を聞いてスコップをそりにする息子。

 

かつてのように、様々な関わり方でお寺に来て頂いていたように、また何か違った形ができないかと考え始めました

同時に、もともと佐原の町には、芸術家の方も多くいらっしゃるのですが、芸術は人の心を豊かにし、創造力も磨かれ、今後小さい子たちが大きくなっていくに従って、どこかで必要になってくるのではないかな?と思っていたのですよね。

 

そういった段階を経て、

[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]心地の良いお寺の空間で芸術家の方達と何かできないかな?
[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]芸術を中心とした色々な体験ができたり、芸術家の方たちとのつながることのできるような場所にできたらいいな

と思いまして、真紀さんにその話をし、賛同してもらえたところからカルティベイトMが始まりました。

 

Cultivate Mの名前にこめた想い

「耕す」という意味がある「Cultivate」という言葉。ほかにも「才能を磨く」「絆をつなげる」といった意味があり、この言葉自体にやっていることとすごくリンクしてる意味が多かったので、この言葉をみた時にこれだ!と思い活動を行う団体の名前にしました。

 

ラテン語に「calcre」という単語があるのですが、この単語は「culture」のもとの言葉なんだそうです。この言語が英語圏に入った時に「心を耕す」と変化していき、「culture」になったそう。cultureは「文化」という意味で取られがちですが、もともと「心を耕す」のが文化なんですね。

 

名付けた当初は「Cultivate」だけで、Mはついていなかったのですが、

  • 「マインド」のMでもあり
  • 「マミ」のMでもあり
  • 「マキ」のMでもある。

『M』は活動における共通のアルファベット。

そういった理由で、活動の名前を『Cultivate M』と名付けました。

 

Cultivate Mのコンセプト

[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]芸術に触れる、体験して自分を表現する場でもあるし、
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]見て触ってだけじゃなく、感じるだけじゃなくて感じたもの自分を表現する

それがClutivate Mのコンセプトです。

 

古いものももちろん大事ですが、新しいものも大事だと思っています。ですので、以前のやり方に新しいことをプラスして、新旧織り交ぜた活動をしていこうと思っています。

 

 

普通に生活していたら、本堂はお葬式や法事などでいらっしゃる場所という印象ですが、あくまで一例ですが境内でプロジェクトマッピングを行うなど、今の時代だからできることもおりまぜながら様々な形でいろいろな事ができたら良いなぁと話しております。

 

そもそも、お寺で行っている理由というのも、かつては気軽に足を運んでもらっていた場所であったのに、今はそうでもなくなってしまったのが少し寂しいからというのもあります。

かつてのように、いろんな形でお寺に足を運んでもらえたらいいなと思っています。

 

イベントを開催した際に、皆さん本堂に入っててこられて、初めて中を見られる方が多いので、驚かれてますね。よくご覧になられてますけど、これも近づく一歩かなと思っています

 

『日本文化を経験し表現する』ということ

日本というのは、外国と比較しても独特の文化を持っているのですが、日本に住んでいるとそれを当たり前に感じていますよね。

 

日本に住んでいるとその文化に馴染んでいるので感じにくいし、外国に行くとより強く感じますが、『日本ならではの良さ』というのは外国に行っても通用するところがあると思うんですよね。

さらにそれを、小さい頃から経験をしておくというのは、今後世界に出た時にも役に立つのではないかと思っています。

 

Cultivate Mの活動は、「日本文化を経験し、表現する」ということまで行っています。
それは、みんなのそれぞれの個性があり、それを自分でわかっているといいなと感じているからです。

 

 

個性ってやっぱりそれぞれ違うじゃないですか。和菓子作りで文化を経験してもらって「作って終わり」ではなく、さらにそれを表現してもらうために、一人ひとり、最後に自分で好きなお皿を選んでもらい、飾りも好きなものを選んで飾ってもらい、それぞれが一つの作品として仕上げてもらい、写真に収めるところまでやってもらうようにしています。

みなさん、一人一人の個性が出て素敵ですよ。

 

これまでの会

職人さんに色々教えてもらおうという趣旨と、地元の職人さんと子供たちの交流も目的の一つです。

体験してもらいたいことでいうと、人との出会いとか経験したことって何がその人に残るかはわからないじゃないですか。
経験するのとしないのでいうと、経験することで、どこかに何かしらの形で引っかかる可能性はあると思っているので、普段なかなか巡り会えない人と巡り会えたり、一緒に何かできたり、今後繋がっていく事ができるような場になったら良いな思っています。

 

第1回『和菓子を作る会』(2021年8月26日)

カルティベイトMとして、初めて企画・主催した会は『和菓子を作る会』でした。

 

もともと私が、そういった活動をするなら和菓子作りをしたいと思っていたので、佐原にある「おざわ菓子店」さんにお願いしまして、了承してもらえましたので開催の運びとなりました。

 

 

第2回『「共に〜時代と作品の共存〜」木工と漆作品の展示と江戸時代から代々伝わる御絵伝の公開』同時開催ワークショップ『マイ箸作り』(2021年10月29日〜31日)

もともと、「こういうことやりたい」というのが幾つかあったのですが、その中に地元の大工さんと何かを作るというのがありました。

知り合いの大工さんにお話をさせて頂いたのですが、それは残念ながら開催に至らなかったんですね。
大工さんとの体験を行う際に、ご一緒して頂く予定でいた佐原出身の木工作家さんにワークショップをお願いすることになりました。
みんなで話し合い「身近で実用的なもの、使えるもの」ということで、お箸作りを行うことになりました。

 

 

 

合わせて木工作家さんの作品をみんなに見てもらいたいので、本堂で展示会をして頂けませんか?というご提案をさせて頂いたのですが、以前から、とある漆芸作家さんの作品がすごく素敵だなと思っていたのですが、木工作家さんとその漆芸作家さんは以前からお知り合いだったこともあり、お二人の展示会をさせていただく運びとなりました。

 

 

 

ワークショップ『和菓子作りの会・冬』(2021年12月23日)

和菓子の会は季節ごとの開催を予定しています。

 

和菓子をほとんど食べたことがないお子さんも、この機会を機に食べるようになりました♪とご感想も頂いております。

 

 

第3回『「愛でる」煎茶と和菓子・風景と時間を味わう《一煎、二煎と和菓子付き》』(2021年12月26日)

会を開催していく中で「本堂で踊りたいなぁー」と思っていたのですね。

その頃に漆芸作家さんから偶然「私の作品と踊って頂けたらなー」と嬉しいお話を頂きました。

 

 

その流れから、昨年末に開催された、煎茶と和菓子を楽しんで頂き、漆芸作家さんの作品とのダンスを観て頂く会になりました。

 

 

 

この時は私が出会った方々といろんなタイミングが重なり創り上げることができました。

煎茶のお友達も煎茶とダンスで何かやりたいって言われてたのもあったのでそう言うのが色々今のタイミングでやることになってますね。

 

 

 

こういうことをしてみたいな。
というところから始まり、いろいろな方と繋がっていき会が開催されています。

 

お寺という空間は、さまざまな方々と繋がっていく事ができる場だと思っております。
様々な方々といろいろな事ができたら良いなと思っています。

 

毎回満員!参加された方の反響

以前から「おざわ菓子店」さんにお菓子を買いに行っていらした方々は、「まさか店主さんから直々に教えてもらえるなんて!」と感動してもらえました。

 

また、これまで和菓子を食べていなかった方が、ご自身で和菓子を買いに行くようになったというお話も伺いました。

 

 

 

お箸のワークショップに小さい子を連れて参加し、お母さんが作った方がいらしたのですが、前日までスプーンで食べていたのに僕のお箸で食べると言って、その日からお箸で食べるようになったそうです。

 

自分で使うたびに、「このお箸を作ったんだな」という意識や、思い出したりするのでいいんじゃないかと思いワークショップを開催しましたので、このような反響があったのはとてもうれしかったですね。

 

 

それぞれ興味を持っていただけて開催して良かったなって本当に思います。

 

GWは参加型のファッションショーを開催予定

とあるデザイナーさんがいるのですが、Cultivate Mの活動についてお話をしたときに、ファッションショーをやりましょうよといっていただきました。

 

和のものをリメイクや作品に取り入れて、製作されているような方なのですが、もともと佐原の町のために何かやりたいと思ってくださっている方で、かつては佐原の町にある古い建物にお洋服を展示されてたりした方なんです。

ファッションショーのお話をご提案いただいたので、それについて真紀さんと話したところ、お寺をこんなふうに使ったらいいんじゃない?と案を出してくれて、デザイナーさんにも「それはいいわね」と言っていただいています。

 

ファッションショーでは、漆芸作家さんの作品をお洋服に付けてみたり、デザイナーさんから木工作家さんに「木でバックを作ってみてはどうか」と提案されていたりしてまして、作家さんたちにもショーで使用するものを作ってもらおうと思っています。

 

 

石畳をランウェイにしファッションショーを行いますが、本堂の中は展示スペースとして考えています。
中も外も全てを使って楽しんでもらう予定です。

 

モデルさんは地元の方を募集予定

ファッションショーでお洋服を着てもらうモデルさんは地元の人を対象に募集を行う予定です。

子供から大人まで出演してもらおうと思っているのでたくさんの方に応募してもらえたらうれしいですね。

日程ですが、観光客の方にも足を運んでもらいたいので、GW中の4月30日に、天候に関係なく開催できるように考えています。

雨の場合はランウェイができないので、テントを設置したり、回廊を使って回るという感じで、できる限り中止にしない方向にしたいですね。

 

今後のワークショップ開催予定

春に和菓子の会のワークショップを行う予定です。和菓子の会はリクエストが多かったですし、和菓子は四季を感じることができるものなので、四季ごとに開催しようかと思っています。

お箸作りも大人の方からのリクエストも多かったので春休みに開催できたらいいですね。

 

大人も子供もみんなで参加して頂けたら嬉しいです。

 

スイゴウのお勧め

「おざわ菓子店」さんです。

 

和菓子から四季を感じることができるおざわさんでは、イチジクの時期にはイチジクあんこがあったり、なかなかいただけないようなものをいただけるのも魅力です。

季節のお菓子は本当にかわいくて。お味ももちろんですが、みても楽しめるんですよ。

 

うちの子は和菓子が苦手なのですが、おざわさんの和菓子だけは食べられるのです。
といっても、それまでは私が買ってきても食べなかったのですが、自分で和菓子を作ったことがきっかけでおざわさんの和菓子をとても好んで食べるようになりました。

何か感じるものがあったのかな。

 

年始のお菓子も全ておざわさんが1人で手作りしています。

2022年始限定の和菓子

 

根っからの職人さん、と言った感じの方なので、お店に伺っても寡黙な方ではあるのですが、子供がすごく好きなようで、子供にはたくさん話しかけてくれます。

そんなシャイなおざわさんですが、その時期しかいただけない旬の和菓子がたくさんありますので、ぜひ目で口で季節ごとに愛でてみてください。

 

<CultivateM>

[chat face=”mami2.jpg” name=”” align=”left” border=”none” bg=”none” style=””]高橋 マミさん
東京生まれ。
3歳から佐原に住む。
幼少からお寺で暮らし、音楽一家の元芸術に触れて育つ。
高校卒業後、ダンス一筋の人生。NY留学経験を経て、現在ダンス・ピラティス講師として指導をしながらダンサーとしても活動中。
2021年『Cultivate M』を立ち上げる。

[/chat]

[chat face=”maki2.jpg” name=”” align=”left” border=”none” bg=”none” style=””]笹本 真紀さん
香取市佐原生まれ。
東京音楽大学声楽科卒業。
イタリアに留学後、コンサート出演の他、CMやCDのレコーディングに参加する。
現在はピアノと歌の講師として後進の指導をすると共に、声楽家として童謡・唱歌を歌うコンサートを定期開催している。
2021年『Cultivate M』立ち上げメンバーとして参加。

[/chat]

 

 

 

[box02 title=”Cultivate M”]
香取市佐原イ1735(浄土真宗本願寺派 浄土寺にて開催)

[jin_icon_instagram]


[/box02]

 

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